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そもそも、立甲とは何なのか?

 

 

立甲とは?

腕・手の力強さ・正確性・スピードなどを“同時実現”するための必須能力のこと。

 

四足動物が歩いている姿を見ると、肩甲骨が立った状態です。
この状態を立甲(高岡英 夫 提唱)と言います。

 

そしてその結果、肩甲骨と上腕骨が一直線上につながることを甲腕一致と言います。

これはゼロポジションと同様で、立甲ではこのとき前鋸筋が十分に作用している状態です。
ゼロポジションのメリットは、関節や筋に負担を軽減することです。
動物は常にこの状態であるため、あのようなハイパワー・ハイスピードを実現できるのです。

 

 

 

立甲の目的

 

それは「甲腕一致」を実現し、どんなアライメントでも0ポジションを実現することです。
そうすることで力強さ、正確さ、スピード、疲れにくさなどを両立することを目的としています。

 

立甲には大きく分けて3つのメリットがあります。

 

①ゼロポジション
肩の機能を最大化し、首・肩周りの無駄な力みの制御や、怪我を防ぐ鍵がゼロポジションです。
立甲習得で身体の機能的に使える幅を広げる

 

②怪我を防ぐ
立甲を習得すると、肩の一部にストレスが集約するのを防いだり、機能的可動範囲のブロッキングを解放し、
肩をはじめ、周辺の関連部位の怪我を防ぐことができる。

 

③ハイパフォーマンス
立甲はトップアスリートが兼ね備えている能力であると同時に、実は非常にナチュラル(本来あるべき)な肩甲の動きです。

 

 

 

重要なのはその質

 

立甲の状態になれることだけでは、「使いこなせている」とは言えません。
重要なことは、外見ではなく、その「質」。

 

外見上は立甲でなくとも、立甲で作用する筋群が働いていることが肝心です。

とりわけ前鋸筋・ローテターカフがどれだけ自在に機能させられるか(ランニング動作では必須)でその質は大きく左右されます。

 

 

ランニングにおいて立甲を習得する5つの意義

 

①いかなる腕の位置においてもゼロポジションをキープする
肩甲上腕関節の負担軽減に大きく貢献します。ランニングでは主に腕振り動作、
脊柱・大腰筋へ動作連動を生み出し推進力を生み出す為に必須ですね。

 

②上肢のスピードと正確性を確立できる
パワーだけで動作精度が低い、正確だが遅い、では高いパフォーマンスとは言えません。
立甲習得により、無駄な力みを減らすことになり、その分上肢の動きにキレを増やすことに繋がります。
③肩甲骨と肋骨の動きが同時に向上する
肩甲骨の動きが向上することによりゼロポジションで腕を使う範囲が増加します。
その結果、多くのトップアスリートが使いこなしているRSSC(回旋系伸張反射)を活用しやすくなります。
また、肩甲骨の動きの向上により、肋骨や背骨の可動性も連動的に向上します。
肩甲骨や肋骨・脊柱 の可動性が拡がることで、ランニングなどの走動作では肩甲骨からしっかりと上肢(肩甲骨の内転・外転)を振れるようになり走力の向上やパワーロスが軽減します。

ランニングでは肩甲骨の可動性が絶対条件といえます。

 

※RSSCとは>Rotator Stretch Shortening Cycleの 略称で、
日本語では「回旋系 伸張反射」と言います。
RSSCは、理学療法士など身 体に関わる専門家の中で一般的なものである
「伸張反射 (SSC:Stretch Shortening Cycle)」の一部です。

あらゆるシチュエーションで ハイスピード・ハイパワーが要求されるスポーツの場面では、
SSCだけでは足りず、回旋系である RSSCを使いこなすことが飛躍の鍵になります。
④持久力が向上する
肩甲骨の関連筋である前鋸筋を機能的に使う事が可能になると同時に、横隔膜の可動性も向上します。

横隔膜の機能的に使える幅が増えることにより、胸郭の可動性も広がり肺呼吸を主とするランニング動作では、心肺機能が向上(無駄の排除)し、持久力の向上を計ることができます。
⑤肩の力みを抑制し、脚や体幹からの力を手に伝えやすくなる
通常、競技レベルが低いほど、肩の力みが出やすくなります。
立甲を習得することで、「力が入るべき場所=前鋸筋・ローテーターカフ」が機能し始め、
その分、余計な部分(僧帽筋・肩甲挙筋など)の力みを抜くことができます。

 

 

 

立甲を習得することによる変化は?

 

立甲はハイパフォーマンスの前提条件であると同時に、実は動物や赤ちゃんが教わらなくてもできるほどナチュラルなもの。だからむしろ、“取り戻す” 感覚です。

JRTAで紹介している立甲のトレーニングは四つ這いで行います。
これは、今までのローテーターカフトレーニングとは逆の動きになります。
肩甲骨が上腕骨頭をむかえにいき中枢部が動くことで、肩のインナーマッスルが自動的に働きます。

 

インナーマッスルを働かせるのではなく、働きやすいポジションを作るということです。

 

そう考えると四つ這いという上肢を固定した状態において肩甲骨を動かす運動(立甲)は
非常に有効なトレーニングになります。 インナーマッスルを働かせるのではなく、自動的に働くことがスポーツ動作においては重要です。

 

上肢前方肢位においてはゼロポジション保持が不可能といわれていますが、
立甲ができればその姿勢でもゼロポジションで使えるようになります。

また、肩甲骨や肋骨・脊柱の可動性も拡がり、肩甲骨と肋骨(胸郭)を分化させた状態で使用できるようになります。
胸郭の可動性が拡がることで、横隔膜や大腰筋の機能も改善することができます。
その結果、ハイパワー・ハイスピード・ロスの軽減(省エネ)・正確性を同時に実現した腕の操作性を獲得できる機能が、土台として構築できるようになります。

 

 

立甲は、適切なトレーニングで誰でも獲得できる。

 

これまで繰り返してきたように、立甲は本来人間が備えている機能です。

 

JRTAのトレーニングとその習得プロセスの理解により、誰でも獲得することができるのです。

身体が固まり、無駄な力を入れることを学習してしまったことが原因で機能しなくなっている本来の能力を引き出し、今まで積み上げてきたトレーニングの質を高めることができます。
「立甲」は、JRTA BASIC講座で習得、学ぶことができます。

 

 

JRTA 三浦