STORY

STORY創業ストーリー

Chapter 01
88%の悲劇。

「先生、走ると膝が痛いんです・・・」

これは、僕がランニングトレーナーとして活動し始めてから、今まで一番耳にしてきたフレーズです。

僕がランニング指導を始めたのは2012年。当時、日本では健康志向の高まりや社会情勢を背景にランニングブームが到来しはじめてき時期でした。

あまりにも、カラダの痛みや不調を訴えてくる方が多いので調べてみると、国内でランニングが原因で故障した経験がある人の割合はなんと『88%』と9割近くにも上ります。

健康のためや体力の維持・向上、運動不足解消、ダイエットのためなど、ランニングを始める理由の多くはヘルスケアが目的であるにも関わらず、その結果、痛みやケガを理由に走ることをやめてしまう人が大勢いるという実情に、当時、大きな違和感を抱きました。

こういった現実を、ランニングすることによってカラダの症状に悩まされてしまっている人たちを少しでも救ってあげたいという想いが、後にJRTAを立ち上げる動機のひとつになります。

Chapter 02
カラダの専門家として。

ランニングによるカラダの不調を抱えている人があまりにも多いことに愕然とした僕は、カラダの仕組みから勉強し直すことにしました。

僕がランニング指導を始めたばかりの頃は、本やネットで得た知識を自分なりにアレンジしてレッスンを行っていたのですが、母の死をきっかけに代替医療の分野に進み、「身体機能」や「運動機能」に関する知識や理論、運動療法・手技療法の技術を学びました。

そして、その時に得たものがランニング指導の現場でとても効果を発揮するようになりました。

それからは、「ただ、走らせるだけ」「ただ、タイムを短縮するだけ」「ただ、筋力や持久力を上げるだけ」を目的とした指導をするのではなく、“カラダの症状に対する悩みの解決”と、ケガをしないためのカラダづくりなどの“本質的なパフォーマンスアップ”を両立できるトレーナーとして、クライアントからの信頼を強固なものにしていきました。

ただ、自分の所へ多くのランナーさんからのレッスン依頼が舞い込んでくるようになったと同時に、競技パフォーマンスだけでなく「痛みに悩まされない走り方」や「カラダに負担をかけずに楽に走る方法」を、もっと多くの人に広めていくにはどうすれば良いかと考えるようにもなりました。

Chapter 03
ランニング指導現場の現実。

ランニングによってケガをしてしまう人が多い理由を考察してみると、ある原因に辿り着きました。それは、本当の意味でのランニング指導をしている人材が圧倒的に少ないということです。厳密に言うと、正しい「走り方」を教えている人がいないのです。

ランニングによってケガをしてしまう原因は大きく二つ。オーバーユースか局所への過度な負担の蓄積です。その中でも特に後者、つまり、「走り方」が悪いが故に多くの方々がケガを発症してしまうのです。

例えば、何かスポーツを始める際は、ケガや失敗を回避するために、まずは“やり方”を誰かから教わると思います。でも、ランニングの場合はここが欠如してしまっているのです。

今、全国各地でランニング教室やレッスンが催されていますが、そういった現場の指導者は競技出身者であるケースがほとんどです。

もちろん、アスリート出身の方が一般の方に指導するという機会が増えることはとても素晴らしいことです。
ただ、それだけでは競技スキルは普及しても、根本的なパフォーマンスアップやカラダの不調・ケガを防止するには至らないという現実に、葛藤に近いものを抱いてしまうのも正直なところです。

Chapter 04
ランナーが本当に求めているもの。

「前からそれをずっと知りたかったんです!」「こういうのを教えてくれる人、探してたんだよね!」「色んなところでレッスンを受けたけど、それは目から鱗です!」「他行ってもただ走るだけで、大した事教えてくれなかったんだよね」「もっと早く教えてもらっていれば…」これらは僕が実際にクライアントから頂いた言葉です。

決して自分を過大評価しているわけではなく、それだけ「ランナー目線」で且つ「ランナーの要望や悩み」に沿ったランニングレッスンを行えている指導者が、まだまだ少ないという事だと僕は思っています。

僕は、自分の経験値からもランナーさんの多くがケガや痛み、カラダの症状に悩まされていることを実感しています。

このような方達へ向けて、少しでも多くの手助けをしていくためには、僕がマンパワーで活動していくだけでは、ただの自己満足で終わってしまう。 僕の経験や知識をシェアして、ランニングトレーナーという職業を広めていくべきだと考え、2015年にランニング専門のスポーツトレーナーを養成するための団体「JRTA」を設立しました。

Chapter 05
ランニングトレーナー”という職業を広めたい。

僕がランニング指導者として活動した当初は、「ランニングを教えるなんて需要あるの?」「それビジネスになるの?」なんて声を頂いたこともあります。

でも、実際に僕の元には今も大勢のお客様がいらっしゃってくれています。そして、その理由のほとんどが「走ると○○が痛むのでなんとかして欲しい!」です。ちなみに、その他の理由としては「いつまでもケガなく健康に走れるカラダづくりをしたい」「フルマラソンをケガせずに無事に完走したい」と続いています。

今、ランニングはマラソンレースへの参加を目的としたものだけではなく、人々のライフパフォーマンスを上げる手段として、コミュニティ形成の手段としてなど、人々の豊かな生活を形成する上での重要なコンテンツとしての役割を担っています。
ランニングトレーナーという肩書きも近い将来、ダイエットトレーナーやヨガインストラクター、フィットネスインストラクターなどと同等の市場価値や必要性が生まれるのが必然だと思っています。

そして、ランニングトレーナーが増えることが間違いなくランニングマーケットやヘルスケア領域の成長へと繋がるとも確信しています。

Chapter 06
JRTAのこれから。

おかげさまで、JRTAのセミナーには設立当初より予想を遥かに超え、とても多くの方々にご受講頂きました。

受講者も、一般の方からアスレチックトレーナーや理学療法士、柔道整復師、パーソナルトレーナー、ヨガインストラクターなど、医療分野からフィットネス分野まで幅広い職種の方々にご参加頂きました。

そして、2022年。JRTAは単なるセミナー団体という枠を超えて、「ランニングというライフスタイルの提案」をカタチにする組織として変貌していきます。

ランニングトレーナーの育成を通して、健康推進のためのランニングによる健康弊害を無くすとともに、その先にある「RUNNINGを通して人々の生活をより豊かに」することを目指して。